ジルコニアはガラス質を含まないため、フッ酸エッチングが効きません。そのため、サンドブラスト+汚染除去+MDPプライマーによる前処理が重要となります。
ここでは、臨床で使用している材料と具体的な手順をまとめます。
使用材料
ジルコニアの接着性向上に必須となるMDP含有プライマー
唾液やリン酸塩による汚染を迅速に除去
ジルコニア接着に使用するレジンセメント
ジルコニア前処理の流れ
| Step | 操作 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | サンドブラスト | アルミナ50µm、0.2〜0.25MPaが目安 |
| 2 | 水洗+乾燥 | オイルフリーエアーで確実に乾燥 |
| 3 | Ivoclean処理 | 唾液・リン酸汚染を除去 |
| 4 | 再水洗+乾燥 | 汚れを完全に落とす |
| 5 | Clearfil Ceramic Primer Plus塗布 | 均一に塗布し、規定放置時間を守る |
| 6 | レジンセメント装着(RelyX) | アイソレーションを確保してセット |
なぜこの手順が必要なのか?
- サンドブラスト:機械的保持力の向上
- Ivoclean:唾液由来のリン酸による表面汚染を除去
- MDPプライマー:ジルコニア表面と化学結合し、長期的な耐久性を確保
臨床での注意点
- フッ酸処理は不要(ジルコニアには効かない)
- 唾液・指触汚染は必ず再清掃
- サンドブラストの圧が強すぎると強度が低下する可能性
まとめ
ジルコニア補綴物の装着では、
サンドブラスト → 汚染除去 → MDPプライマー → セメンテーション
という流れが非常に重要です。確実なステップを踏むことで、接着の安定性が高まります。

コメント